ZOU-NO-HANA GALLERY SERIES vol.2 「曽谷朝絵展」
開催日時: | 2020年8月21日(金)〜9月16日(水)10:00-18:00 ※会期を延長しました |
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会場: | 象の鼻テラス |
アーティスト: | 曽谷朝絵 / Asae Soya |
主催: | 象の鼻テラス |
象の鼻テラスでは、コロナ禍で表現発表の機会を失っているアーティストの支援のため、象の鼻テラスの大きなギャラリー壁で展開するギャラリーシリーズ(ZOU-NO-HANA GALLERY SERIES)を開催します。横浜を拠点に活動するアーティストを中心にご紹介します。
第2弾は、曽谷朝絵展。瑞々しい光と鮮やかな色彩に満ち溢れた作品は、観る者の視覚を越えて身体感覚を呼び起こします。曽谷氏は'02年にVOCA賞を、'13年に「横浜文化賞文化・芸術奨励賞」、「神奈川文化未来賞」などを受賞。水戸芸術館や資生堂ギャラリーで個展を開催するなど横浜を代表する美術家です。象の鼻テラスでは、「SLOW LABEL」での商品開発や、「スマートイルミネーション横浜」、「FUTURESCAPEPROJECT」などで作品を発表してきました。今回は絵画のみで構成する初の展覧会です。
<展示コンセプト>
今回展示するのは、洗面器を様々な時間帯や光の中で真上から描いた "Washbowl" シリーズです。
洗面器で顔や手を洗ったり水を汲んだりする時間は、いわゆるわかりやすいドラマはない「何も起こっていない時間」です。しかしそこには、顔を洗った時の水の温度で自分のコンディションを感じたり、水面の揺らめきを見つめたり、あるいは空っぽの洗面器を滑る光で季節の変化を感じたりと、日常を構成している豊かな感覚があります。私はそれを光と色彩と形で捉えたいと思っています。
洗面器は単なる3次元の半球状の凹みでもあります。でもそこに放り込まれた光は、信じられないような多様で、ドラマチックな変化をします。時間帯や季節や天候などによる光の変化と、半球状の形態による変化の組み合わせが作る無限に多様な色彩を、巨大な光のプールで追いかけるような気持ちで描いています。
今回展示する象の鼻テラスの壁は、横浜の空と海に向かい合っています。そこに一同に展示された洗面器たちは、刻々と変わる空と海を映した、光の時計が並んでいるかのようにも見えるかもしれません。
てんでバラバラに違う時間の光を映し出す洗面器たちを通して、このコロナ禍が改めて気付かせてくれた日常の貴重さや儚さ、そして不思議さを表現したいと思っています。
曽谷朝絵
《Washbowl》41x38cm pastel on paper 2020
《Washbowl》41x38cm pastel on paper 2020
■プロフィール / PROFILE
Photo: Yasuyuki Kasagi
曽谷朝絵 Asae Soya
絵画とインスタレーションの両面で制作する美術家。
ʼ06年東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻博士後期過程にて博士(美術)取得。ʼ01年「昭和シェル石油現代美術賞」グランプリ、ʼ02年「VOCA展」VOCA賞、他受賞多数。ʼ13年に水戸芸術館にて大規模個展「宙色 (そらいろ)」を開催したほか、資生堂ギャラリー('11年、東京)やAKI Gallery('16年、台北)、Aterier Mondial('18年、バーゼル)などでも個展。府中市美術館('03年、東京)やセゾン現代美術館('05年、長野)、東京国立新美術館('16年、東京)、高松市美術館('18年、高松)、MC Nishi Gallery(’19年、LA)などでグループ展。NYや西安などでパブリックアートや展覧会を制作。'14年文化庁在外研修員としてNYに、'18年TOKAS二国間交流事業派遣クリエイターとしてバーゼルに滞在。作品集「曽谷朝絵 宙色 (そらいろ)」(青幻舎)